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讃詩

そもそもの始めより佛だった
 
それ以外のものになったことなどない

そもそもの始めよりおおいなる存在とひとつだった 

そもそも始めから我というものは無かった

佛国土 極楽浄土以外に住んだことはなかった
 
そして住むべき処はない

阿弥陀仏のひかりのなかの他に住んだことはない 

一度たりとも出たことはない

肉眼に見えるものこそがすべて 

物質のみが実在だと

または考えることが至上のことであり 

知ることがすべてと 

または感情こそは人間のすべて 

心こそはすべてと

ただ夢を見つづけ 眠り続けていた

生きる命はひとつ 生きる命は久遠

いままでずっと在りつづけ 

これからも多分在りつづけるだろう

我が師曰く

「あなたが成りたいと求めているものは既にあなたである」

   「既にあなたは佛であるのに何故佛になろうとするのか」

「あなたは既に久遠の命 既に佛であり これから努力して佛になるというものではない」

おお・・存在よ 

おお・・阿弥陀佛よ 

静かに座り沈黙のなかで湧きあがる念仏をくちずさみます

あなたへの感謝を表す言葉は知りません

ああ・・師よ  ああ・・仏陀よ

この涙はあなたへの感謝をあらわすせめてものしるし

おお・・十方の如来よ 

生きとし生ける無限なる命よ

花びらを撒いて共に歌い踊ること
 
この他にこの歓びを表す術を知りません

吾も彼もない 此岸も彼岸もない

 あなたと吾もない 佛と凡夫もない 

あらゆる境界線は消え失せ あるがままの実在がそこに在る

さとりも煩悩も 聖も俗も 清も濁も 光も闇も

喜びも悲しみも 慈しみも怒りも 愛も憎しみも

・・・そして師と弟子も

あれでもなければこれでもない

ただ在り

 ただ在りつづけている 

たとえようのないこの美しさ

そう いつも此処にいた 

此処以外にいたことはない

ただ誰でもないものが生きている

 ただ誰でもないものが此処にいる

なにもする必要は無く 何処に行く必要もない

物事は起こりつづけている

 命の脈動が起こりつづけている

限りない光のなか 限りない命のなか

 すべては起こりつづけている

永き眠りから覚め 

この光こそ自分だと了解する時

永き夢の旅を終え 

この宇宙こそ自分だと了解する時

それはまさにこの時 

それはまさにこの瞬間(たまゆら)

おお・・存在よ 

おお・・阿弥陀佛よ
 
静かに座り
沈黙のなかで湧きあがる念仏をくちずさみます

あなたへの感謝を表す言葉は知りません

ああ・・師よ ああ・・仏陀よ
この涙はあなたへの感謝をあらわすせめてものしるし

おお・・十方の如来よ 

生きとし生ける無限なる命よ

花びらを撒いて共に歌い踊ること 

この他にこの歓びを表す術を知りません

一切のはからいを去り

 幻の自我を去る 

自然法爾


聖人曰く
 
行者のよからんともあしからんともおもわぬを
自然とは申すぞと聞きてそうろう
如来の御ちかいにてあるがゆえに法爾という
ちかいのようは無上佛にならしめんとちかいたまえるなり
無上佛ともうすはかたちもなくまします
かたちもましまさぬゆえに自然とはもうすなり

一切善悪の分別を去り 一切のはからいを去り 

幻の自我を去る 自然法爾

弥陀と一体のとき 自我は無く はからいは無い

聖人曰く

清浄光明ならびなし 遇斯光のゆえなれば 
一切の業繋ものぞこりぬ 畢竟依を帰命せよ


一切の業は本来無きものと智る 
一切の自我は本来無きものと智る

おお・・存在よ 
おお・・阿弥陀佛よ
 
静かに座り沈黙のなかで湧きあがる念仏をくちずさみます

あなたへの感謝を表す言葉は知りません

ああ・・師よ ああ・・仏陀よ
この涙はあなたへの感謝をあらわすせめてものしるし

おお・・十方の如来よ 

生きとし生ける無限なる命よ

花びらを撒いて共に歌い踊ること

 この他にこの歓びを表す術を知りません

見えない何かが満ち溢れ 

涙となってこぼれ落ちる

見えない何かが広がって行く 何処までも 何処までも

 さまたげるものなど何もない

おおいなる感謝のうちに自我が消えていく

 おおいなる悦びと共に空(くう)のなかに消えていく

求めては失い 求めては逃してきた

 求める道は無く 求める法も無い

そもそもの始めより

 自分は「求めていたもの」そのものだった

 求めることが止んだ時

 それはそこに在った

そもそもの始めより それはそこに在った 

一度たりとも失われたことのない「そのものが」

まさしく此処にある命 「そのもの」と離れたことは一度もない

めくるめく感謝のなか

 必要な勇気が湧いてくる
 
たじろぐ必要など何もない ためらう必要など何もない

此処に在る存在

 万物万象 すべては仏 すべては吾

ただ夢から覚めて

 ただ眠りから覚めて

 本性に帰るだけのこと
  
おお・・存在よ

 おお・・阿弥陀佛よ 

静かに座り
沈黙のなかで湧きあがる念仏をくちずさみます

あなたへの感謝を表す言葉は知りません

ああ・・師よ ああ・・仏陀よ

この涙はあなたへの感謝をあらわすせめてものしるし

おお・・十方の如来よ 生きとし生ける無限なる命よ

花びらを撒いて共に歌い踊ること

 この他にこの歓びを表す術を知りません

おお・・此処に在るは

 自由なる 自在なる 無碍なる ひかり

おお・・此処に在るは

 自由なる 自在なる 無碍なる 生命

kuuhaku

この詩は長徳寺の盂蘭盆会横笛法要の中でよく朗読しています。
98年ごろCDアルバム「天から花が」の収録していた時のこと。休憩中にやってきたことを記憶しています。

kuuhaku

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