Tawagoto Club

日常という不思議

一見何の変哲もない日常という神秘に寛ぎ 
その不可思議な時空に浮かび漂う「私」と呼ばれた者・・
これも人智を遙かに超えた現象と形容する他はない
次から次へと妙なる事柄は起こり続け
それ自身の舞踊を終えると静かに消えてゆく

「まいんど」は見慣れたこれらの事象を神秘とも不可思議とも思わず
時には驚いたり感動もしたりはするが 
殆どの時間は目の前に繰り広げられる場面を
記憶の中に既にある似たような画面と自動的にすり替えて
ぼやけた視線をそれに送っている

同じような日常は途方もなく速く過ぎ去ってゆく
同じような一日が過ぎ 同じような一週間が過ぎ
同じような一ヶ月が過ぎ 同じような一年が過ぎてゆく

気がつけば年を重ね 身体は老いてゆく
意識をどこかに置き忘れてきたような「私」は「まいんど」に翻弄され
無数の同じような無意識・・
「私」を抱えた者達と共に あてもなくあちらこちらへと徘徊する
ある者は歩き ある者は全速力で走り回っている
さ迷い彷徨しているという自覚など一切持ち合わせぬ群衆は
「まいんど」の欲するまま意味不明なことを大声で口走る
「正しい」という思い込みと「正しい」という思い込みが互いに争う
「貪欲」と「貪欲」が激しく衝突し
それぞれ両方の「貪欲」は大いに傷つきあい泣き叫んでいる

抜け出した者は寛いでいる
一見何の変哲もない日常という神秘に寛ぎ 
その不可思議な時空に浮かび漂う「私」と呼ばれた者を楽しんでいる・・
次から次へと妙なる事柄は起こり続けている
そしてそれ自身の舞踊が終わると虚空へと静かに消えてゆく

・・群衆から抜け出した者はそれを大いに楽しんでいる

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