この世で生きること
それは
自分の思い通りにはならない
そんな風にできている
もちろん
思い通りになることも
ときどき起こるけど
起こったりもするし
起こらなかったりもする
まあ 当てにはならない
まあ そんなもんだ
なにかになりたい
なにかを得たいという
自分の希望はただの夢
「生きていること」
それはあるがままの真実
そしてこの自分といえば
欲望 願望に振り回され
夢うつつのまま
ふらふらと右往左往している
マボロシのような
自分という思い込み
そう
自我(エゴ)は欲望で生きている
エゴは夢の中で見たものを欲しがる
それもつぎからつぎへ
際限もなくどんどんと
夢の中のイメージを追い求めて
どんどん どんどん
いろんなものを欲しがりつづけてゆく
生は自然のあるがままに
千変万化しながら流れてゆく
そんなエゴの夢なんかには目もくれず
そんなことには一切お構いなし
ただただ自然に
あるがままの真実を繰りひろげてゆく
だから
いつもエゴは欲求不満のまま
ふんぐ ふんぐと生きている
不幸とか 不運とか
エゴはいつも
そんな風にいうけれど
生はそんなことには一切お構いなし
夢の中の ただのマボロシ
そんなエゴの欲望に
ありのままの生は
付き合うはずもない
たとえ欲望が叶っても
叶ったら叶ったで
すぐに
つぎのなにかしらを欲しがって
つぎからつぎへと
ずううううっと欲望し続ける
そう
ずううううううううっと
目覚めない限り終わらない
そして
何年か
それとも
何十年もたてば
この肉体も終わりをつげる
みんなみんな
ひとり残らず
死んじゃう
みんな だれもかれも
今いるヒトたち
皆 みーんな
全員 死んじゃう
肉体の死亡率100%
そう だれもかれも
死んじゃう
ほとんどのヒトが
叶わなかった夢をかかえて
この娑婆を去ってゆく
そして
何回も何回も生まれ変わって
同じような夢を見て
同じような欲望を抱えて
何回も何回も何回も何回も
延々延々延々延々延々と
同じことを繰り返している
同じような不幸 同じような幸福
同じような不運 同じような幸運
ずううううううううっと
繰り返し
繰り返しつづける
だけど
この
不幸とか不運があるお陰で
この何度も繰り返される
とめどない欲望の連鎖から
この終わることのなさそうな
ぐるぐる回り続ける
ただただ愚かしいような繰り返し
そのバカバカしい繰り返しに
気がついて
あるいは
疲れ果てて
あるいは
徹底的に打ちのめされて
絶望して
そこから
抜け出たいという
逃げ出したいという
根本的な渇望が
いてもたってもいられない
この生の根源を智りたいという
魂の叫び 切なる願いが
それがある時
湧き上がってくる
崩れることのない幸福
なにものにも触れられない至福
圧倒的な大安心
絶対的な喜び 大歓喜
そういうものが欲しいという
そういうものを求めてやまないという
自然から与えられた正しい欲求
そういうものがやってくる
これはもう
喜んで踊る瞬間
飛びあがって喜ぶべき瞬間
大いなる祝福の始まり
なにものにも変えられない絶対的な恩恵
それがやってくる
本当の吾を求めてやまない衝動
旅が始まろうとしている
おおいに喜ぶべき瞬間
それが今 訪れている
kuuhaku
kuuhaku