な〜んにもないところに
どこからか来るよな 浮かんで来るよな
湧いて出るよな 降って来るよな
雲たちたくさんやってくる
白いやつ 光っているやつ 虹色のやつ
灰色のやつ 真っ黒なやつ
雷がチカチカしているやつ
なかにはドス黒くて気味のワルいやつ
こんなようなやつが来た日にゃ
もう気分も身体も鉛の重さ
嵐のように風も吹く
天気に応じるように
いろんな考えがオマケみたいにやってくる
黒い雲には黒い考え 白い雲には白い考え
光の雲には光の考え 虹色の雲には虹色の考え
感情もそれぞれやってくる
うれしかったり 悲しかったり
優しかったり 冷たかったり
怒ってみたり 笑ってみたり
時にはほ〜んとに
どうしようもないような
罪悪感とか絶望感とか
そういうのもやって来る
要はやって来るんだ 雲がね
そしてそれを観ているんだ ワタシがね
ワタシはな〜んにもない空
ワタシは雲とは関わりのない紺碧の空
やって来るよな 浮かんでくるよな雲たちを
ただ超然と眺めている 失われたことのない永遠の空だ
眠りに落ちて 夢を見ているばかりだと
この雲たちに吸い込まれて巻き込まれて
雲の色や形
そして雰囲気にただ操られるだけ
幸せな時は幸せ 不幸な時は不幸
嬉しい時は嬉しい 悲しい時は悲しい
優しい時は優しい
怒りが止まらない時は
怒りが止まらない
その時 その時
それが「自分」だと勘違いするので
だいぶ厄介なことになっている
なにがなんだかわからないけど
なんとかかんとか
やっとのことで辻褄をあわせてはいる
なんとかかんとか
やっとのことで他人に微笑んだりはしている
よおく眺めてみれば
雲たちはワタシじゃない
雲たちはワタシから離れている
勝手にやってきて 勝手に去ってゆく
マインドさんのもっている
カルマとか縁とかいうものが
この雲たちを作っているのかな
しかしこのワタシはただ眺めている
しかしこのワタシはただ眺めている者
マインドさんは
勝手に気にしたり罪悪感や絶望感を持ったりするが
ワタシはそれを持ってはいない
そしてただ眺めていれば
雲たちのチカラは衰えてゆく
もはや雲たちは他人だ
巻き込まれなければ遠くに行く
ずーっと遠くに行ってしまう
ほとんど見えなくなって消えてゆく
あとに残されたのは
永遠の空
なんともいえない清々しさ
得も言われぬ快楽がそこにある
ワタシは誰でもない
ワタシは永遠の空
紺碧に光り輝く 永遠の空だ
旅をしてみたらわかるよ
kuuhaku